グリセリンの化粧水は、ニキビを増やすのは本当?|化粧品の不思議

「ニキビが気になるから、グリセリンフリーにしようかな」

ニキビの原因として、取り上げられがちな保湿成分「グリセリン」。

ですが、グリセリンは、人体がつくる優れた天然の保湿剤。その安全性と保湿性が魅力的で、多くの化粧品に使われています。

「ニキビだから、グリセリンを使用した化粧品をやめる」前に、「まずは、ニキビの原因を探ってみよう」としてからでも、遅くはないかもしれません。

まずは、グリセリンとニキビ、それぞれを深く知ってみませんか。 

 

もくじ

1.グリセリンの特徴

2.「グリセリンフリー」が効果が出やすいニキビタイプは?

3.保湿とニキビの関係

 

1.グリセリンの特徴

「グリセリン」という言葉を聞いたことある人は多いのではないでしょうか。

グリセリンは、人間の体内にも存在します。そのため、化粧品だけでなく、医薬品、食品にも使われています。

グリセリンは、人間の体内を含め、自然界において広く存在していますが、そのまま存在しているわけではありません。脂肪酸とのエステルであるグリセリドとして動植物の油脂中に広く存在しています。人体だと「中性脂肪」と呼ばれています。

私たちの人体にも存在しているものですから、刺激もほとんどありません。

 

グリセリンの特徴は、保湿力とその持続力が強力なこと。

グリセリンのメリットは、ひとつひとつの分子がとても小さいため、角質層の奥深くまで浸透し、しかも、肌のバリア機能を強化するはたらきを持ちます。

注目すべきは保湿性が持続力すること。即効性のある保湿成分としてはヒアルロン酸が有名ですが、グリセリンはより長時間その保湿効果が持続します。

ある研究では、10%グリセリン溶液を塗った場合、塗った直後から高い角層水分量の増加を示し、塗布8時間後においても高い角層水分量を保持することが確認されています。しかも、8時間後においては、BG(ブチレングリコール)の約5倍の保湿力を発揮していたのです。

 

グリセリンは、吸湿力も強いです。

そのため、外気中の水分を吸う性質があります。もしグリセリン配合の化粧水を使うなら、外気にさらされないよう、キャップでしっかり閉める必要があります。

また、グリセリンの濃度が15%~20%以上を超えたものを肌に塗ると、かえって、肌の水分を奪ってしまいます。もしグリセリンを使って化粧水を手作りされる際は、濃度に要注意です。

 

 

2.「グリセリンフリー」が効果が出やすいニキビタイプは?

グリセリンは、保湿力に優れていますが、他の化粧品成分よりも、皮膚の常在菌「アクネ菌」の栄養になりやすいという研究結果が発表されています。

アクネ菌とニキビは関係が深いと言われています。グリセリンがアクネ菌の栄養素になり、ニキビが増える可能性があるからです。

ただ、グリセリンを使った化粧品によって、実際にニキビが増えることを証明したわけではありません。

 

ニキビも、色々な要因が重なってできている考えられます。

 

例えば、便秘であるとニキビができやすいと言われています。腸内の悪玉菌が多いと、血中も有害物質が多くなり、皮膚から有害物質を排出しようとして、ニキビになると言われています。

胃腸が疲れている可能性もあり、水溶性の食物繊維(わかめなど)を意識して食べるようにしましょう。

(こうしたニキビは、あご周りやほほに出来やすいと言われています)

 

また、ホルモンバランスの乱れも大人ニキビの大きな原因。睡眠不足やストレスでもなります。

睡眠時間をしっかり確保する、休息をしっかりとることも大切です。また、食事では、大豆のイソフラボンやビタミンB類を食べることを心がけましょう。

(あご、Tゾーンに、この種類のニキビは出来やすいと言われています

 

また、マスクでもニキビが増えていると言われています。マスクで擦れたり、蒸れたりすることも原因となっているようです。マスクの種類を変えて、自分の肌に合っているものを使いましょう。不織布マスクは、どうしても摩擦が大きいです。

(あごが影響を受けやすいようです)

 

いわゆるTゾーンにニキビができる方は、皮脂が過剰に出ている可能性が高いです。このタイプのニキビが気になる方は、グリセリンフリーを試す価値があるかもしれません。

グリセリン以外であれば、グルコースも資化性(菌の栄養素になりやすさ)が高いと言われています。

 

3.保湿とニキビの関係

ニキビができると、「皮脂を洗い落とさなきゃ!」と洗浄力強めの洗顔料を使ったり、洗顔の回数を増やしたりする方がいますが、これは誤ったケアです。

思春期ニキビで、皮脂量が多い場合は効果があるかもしれませんが、大人ニキビの場合は、皮脂量とはあまり関係なくニキビができていることが多いです。(特にUゾーンに出来ている場合)

むしろ、乾燥肌でお肌自体が弱っている状態、つまりターンオーバーも乱れて上手に皮脂が排出できないため、毛穴が詰まり、ニキビになっていることもありえます。

洗い過ぎることは、皮膚が本来持っているバリア機能を損ない、余計にターンオーバーを乱す原因にもなります。

 

乾燥肌でも、洗顔はしっかりする必要があります。

洗浄力がマイルドなものを選び、余分な皮脂は洗い流しましょう。洗い流しすぎないように、40℃以下のぬるま湯を使いましょう。

化粧水でみずみずしいうるおい成分(グリセリンやヒアルロン酸など)を塗布したら、油分(スクワレン、ワセリン)の多い化粧品を使い、蓋をしましょう。

蓋をしないと、せっかくのうるおい成分が蒸発してしまいます。「ニキビだから、油分は減らしたほうがいいのでは?」と思うかもしれませんが、乾燥肌が悪化すると余計に増える可能性があります。しっかり使いましょう。

 

乾燥肌のニキビの場合、保湿成分は刺激が少ないものの方がよいと言えます。そのため、お肌に低刺激なグリセリンは、決してニキビにとって悪いものではありません。

自分のニキビのタイプを考え、お肌にあったケアを、ぜひ取り入れてみてください。

 

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【肌真水】

とてもさっぱりしたタイプの化粧水。グリセリンは使われておらず、肌のターンオーバーの乱れが気になる方にオススメです。

 

【ウォータージェル】

しっかりとお肌にうるおいを与えたい方向け。こちらも、グリセリンは使われていません。オウゴンエキス、ダイズ発酵エキスといった美容成分も含まれて、肌に馴染みやすいジェルとなっています。

 

 【デイプロテクトモイスチャー】

 乾燥肌向けのスクワレンを含んだクリーム。しっかりと蓋をして、お肌のうるおいが逃げないようにする際にもお使いいただけます。こちらは、グリセリンが主成分のため、保湿性が高いのが特徴です。

 

【クリスタルパックソープ】

マイルドな洗浄感が特徴的な洗顔用せっけん。皮脂を程よく洗い落とし、洗い落としすぎません。泡立てず、肌にのせるようにして塗布し、なじませてから洗い流します。

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