重曹でも手荒れはする!? 手荒れの原因と3つの対処法

「環境にやさしい」とうたわれる重曹やセスキ炭酸ソーダ。

たしかに「肌荒れしにくいお掃除グッズ」と言われるのですが、あくまで「しづらい」程度なので、手荒れの原因になることがあります。

どうして重曹も手荒れの原因になるのでしょうか? 

また、重曹を使っていて「思ったよりも、油汚れに効かない」「なかなか落ちない」「擦るのが大変」と感じたことはありませんか?

気になる方は、ぜひ最後までお読みください!

目次

1.手荒れと重曹「重曹は、皮脂油を取るようには、油汚れに効かない..?」

2.重曹以外の選択肢 手肌にやさしい水とミネラルだけの「アルカリ性イオン水」

3.手を化学物質から守り、手荒れを防ぐ「ハンドプロテクター」

1.手荒れと重曹「重曹は、皮脂油を取るようには、油汚れに効かない..?」

手荒れの原因として、普段日常的に使っている掃除用具、衣料洗剤、食器洗剤が原因になっていることがあります。

その中で、比較的に手荒れしづらいとして紹介されているのが、「重曹」や「セスキ炭酸ソーダ」です。

重曹やセスキ炭酸ソーダは、環境にやさしい「ナチュラルクリーニング」だそうです。

また「手荒れしづらい」と言われていますが、言われているだけで、結論、手荒れする時は「します」。

たまに「天然素材だから手荒れしない!」という記事を見ますが、それはおかしいです。

自然界にあるものでも毒物になったり、アレルギーを起こしたりすることはありますし、逆に工場でつくられたものでも無害な場合はあります。

(しかも、掃除用の重曹も工場で別に天然?ではない気がします......)

この場合は、ペーハー(pH)で判断しましょう。

 

重曹やセスキ炭酸ソーダは、強アルカリ性(pH12-13)の漂白剤に比べれば、比較的ゆるやかなアルカリ性なため「肌にやさしい」という印象を持たれたのではないかと思います。

重曹は、アルカリ性でもpH8程度。(弱アルカリ性)

セスキ炭酸ソーダは、pH10程度。(アルカリ性)

炭酸ソーダ(重曹を過熱させた場合)は、pH10程度。(アルカリ性)

ですので、重曹の方が弱いアルカリ性であるため「手荒れしにくいな」と思われているのだと思います。

ですが、それでも弱アルカリ性なので、敏感な方であれば、手荒れする時は手荒れしてしまうと思います。

 

特に、手の保湿に重要な役割を果たす「皮脂」は、アルカリ性に溶けやすいです。

そのため、重曹やセスキ炭酸ソーダを使うと、簡単に「皮膚のバリア機能」を果たしていた「皮脂」は流されてしまいます。

「油」も様々な種類がありますが、その中でも皮脂は「脂肪酸」が比較的多く含まれています。この「脂肪酸」は酸性の油であり、中和反応を起こすと石けんになります。

「脂肪酸」自体は水と分離しやすいのですが、中和反応で「石けん」になると非常に水に溶けやすくなるため、簡単に洗い流されてしまうのです。

この現象と同じように「重曹は、油汚れと中和して、洗い落としやすくするのだろう」と思われる方もいるかもしれません。

しかし、「いわゆる食用油の汚れは、アルカリ性と中和されて取れやすい」というのは嘘です。

 

「「えっ?」」と思われる方も多いかもしれませんが、油汚れには、アルカリ性・酸性は関係ありません。

(私もテレビなどでも誤放送されているので、誤解していました...)

食用で使われている油は、中性であるため、固まってしまった油汚れもおそらく中性です。

油ですので時間とともに酸化(酸素との反応)が起きますが、酸性化するわけではないと思います。

(そもそも油汚れは固体であるため、pHで表現するのがふさわしくないかもしれません)

 

食用油には、動植物油脂「トリグリセリド」が含まれています。

トリグリセリドにはエステル結合と呼ばれる部分があり、結合がとても強いです。

しかし、エステル結合は、強いアルカリ性溶液で作用させると、この結合が切れて加水分解と呼ばれる反応が進みます。この加水分解で石けんをつくられる反応を「けん化」と呼ばます。

中和反応とは別の反応「けん化」は、強塩基の水溶液との反応のみ起こします。

残念ながら、重曹は強塩基の水溶液ではありません。

だから「重曹で油汚れが楽々落ちる~♪」というのは、嘘ではないかと思います。

(ただし、重曹を加熱すると化学反応で炭酸ソーダに変わり、より強めな塩基になります。この場合は「けん化」反応が期待できるかもしれません)

(あるいは、重曹に長時間浸けるなどして、ゆっくりと反応させているのかもしれません)

 

私自身、非常に驚いているのですが。

ということは、重曹は「手の皮脂ばかり落として、あまり油汚れには役立たない」ということになります。

「油汚れが落ちる~♪」と感じる理由としては、「クレンザー」として、物理的に擦って汚れを落としているのではないかと思います。

 (どこが楽々なのだ(゜-゜) )

ただ、適度なクレンザーと石けんの役割を果たすので、好む方もいるんだと思います。

(石けんの効果を好むなら、より強力なアルカリ性溶液や、石けんを最初から使った方がいいかもしれません)

(またクレンザーのようにこすり落としたい場合は、メラミンスポンジでこすったり、不要なカードで削り落とすのがお勧めです。メラミンスポンジも、手が荒れている場合や長時間使用する場合は直接触れないほうがお勧めです。)

 

物理的に「擦る」のも肌の皮脂膜をこすり落とす行為ですので、微妙なアルカリ性や、粉で水分を吸い取る性質も踏まえて、「重曹を使う時は、ゴム手袋すべし」ということを改めてお勧めしておきます。

(アルカリ性と擦る行為で、もし重曹掃除を素手ですると、汚れよりも、皮脂がかなり落とされてしまうんではないかと思います)

 

 

2.重曹以外の選択肢 手肌にやさしい、水とミネラルだけの「アルカリ性イオン水」

もしかしたら油汚れに関して言えば、重曹よりも、食器用中性洗剤をかけたり、浸けたりできるのであれば、そちらの方が手っ取り早いかもしれません。

 

ただ環境にやさしいものを使いたい...かといって重曹だと汚れが取りにくい......ということもあるかと思います。

そこで、電解水「ファインチャージドウォーター」をお勧めしておきます。

この「ファインチャージドウォーター」は、pH12程度と強アルカリ性の水なので(成分は水とミネラルです)、「けん化」作用が期待できます。

しかし、肌に付着すると強アルカリ性が中性に戻る特殊な性質を持っていますので、肌荒れの原因にはなりません。

除菌消臭イオン電解水「ファインチャージドウォーター」

この「ファインチャージドウォーター」に浸けたり、吹きかけたりすれば、「けん化」作用は期待できますし、もし拭き残しがあっても、水とミネラルですので心配はないかと思います。

電子レンジ、換気扇、魚用グリルなどの掃除に適していると思います。

口に含んでも中性に戻りますので、危険ではありません。

消臭・除菌ができますので、子どものおもちゃの除菌にもお勧めです。 

 

3.手を化学物質から守り、手荒れを防ぐ「ハンドプロテクター」

掃除をする時に、重曹以外にも、なにかと「クエン酸」「漂白剤」「食器用中性洗剤」...など色々と使われるかもしれません。

1つは、ゴム手袋をして、手に直接触れないようにする方法。こちらは摩擦を防げるのでぜひしましょう。

もう1つは、化学薬品からの刺激を抑えるジェルプロテクターを使用すること。こちらは、手袋の付け替え時にうっかり付着してしまったり、食器洗いのように手でぬめりまで落ちたか確認しながら洗ったり...といった場面に向いています。

ジェルプロテクターというのは、見慣れないかもしれませんが、これ一本で、アルコール、漂白剤、石鹸、シンナーなどから受ける手へのダメージを減らすことができます。

美容師の手荒れにハンドプロテクター

葉月ショップの「ハンドプロテクター」は、料理人、介護士、塗装職人、美容師から人気です。

手荒れに関して摩擦ではない原因に心当たりがあるのであれば、ハンドプロテクターはお勧めです。

 

 

編集後記

重曹は、環境にやさしいけれども、あまり手肌にはやさしくないようです。皮脂油をスルスル取るにも関わらず、同じように食用油もスルスル取れるわけではないとわかり、ちょっと残念でした。

本当は、油汚れが固まってしまう前に、できるだけクリーナーシートで汚れを拭きとってしまうのが一番いいんでしょうね。(大掃除以外でもこまめに掃除するのがいいんでしょうね。トホホ...)

大掃除は、重曹以外の漂白剤や食器洗剤なども活躍する予定なので、ハンドプロテクターと手袋を二重にして、お掃除に取り組もうかと思います。

大掃除の時など、参考になれば幸いです。

 

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